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2008年2月

「メガネを買いに」(1)

エッセイ 「メガネを買いに」(1)      とうのよりこ

そろそろメガネを買い換えなきゃ、と思いつつ、かれこれ数年。

普段コンタクトレンズをつけているので、メガネをかけるのは自宅にいるときや
近所のコンビニへ行くときくらい。
裸眼だと、ぎりぎり0.1なので、ぼや~っとしか見えてません。
にもかかわらず、最近は会社に着いてからコンタクトレンズをはめるので、
出勤途中の視界はぼんやり。
「おはよう!」と、肩をポンとたたいてくれる人は良いのですが、気づかない
こともあるので、本当はこういう時不便なんですよね。

「三宮に『眼鏡市場』がオープンしたから、買いに行けばいいじゃない」と、ウチのママ。
「別に『眼鏡市場』でなくてもいいじゃない。あ~、さてはヨン様グッズねらい?」
「ちがうわよ。そんなの、もらえないでしょ」
否定しながらも、ママの口元はにんまり。
「でも前の一件があるから、どうも気が進まないの」

前の一件というのは、ある店にメガネを買いにいったときのこと。
「普段はコンタクトレンズなので」と言うと、
応対した店員の表情がみるみる変わり、
「コンタクトレンズは目に悪いんですよ!今すぐやめたほうがいい!」と断言。
まだ何か言いたげだったので、
「度を測ってもらえます?」とお願いしました。
「もう少し強めのほうが良いですね。見えにくいので」
すると、「これくらい見えてるなら十分」と、それ以上ゆずらない。
あげくの果て「なるべく度は弱いほうがいいんです。これにしなさい」ときた。

「これにしなさい?」

それまで、ず~っとガマンして聞いてたワタシでしたが、
「やめた!」
そう言い捨てて、さっさと店を出て行きました。
ママによると、後に残された店員さんは唖然としていたそう。

「ああ、あのときのことねぇ」と、ママも思い出した様子。
「眼科医でもないのに、コンタクトレンズが悪い云々を言ってほしくもないし、
 これくらい見えてるなら十分。これにしなさい、って・・・。
 なんで強制されなきゃいけないのよ~」
思い出すだけでも、腹が立ってきます。

「まあ、あのときはアタリが悪かったのよ。その点、『眼鏡市場』は店員さんも親切よ」
「やっぱり行ったのね」
「いいのがあればと思って、時間をかけてさがしたんだけど、なかったの。
 だから、娘を連れてくるわって、帰ってきたの」

ああ、そうでしたか・・・。
さぞかし、応対した店員さんは、とっかえひっかえ大変だったでしょう。

でも、ママが親切だという店なら安心かしら。
欲しくもないモノをしつこくすすめる店員には、「じゃあアナタが買えば?」と
バッサリ言う人ですから。
それでいて、良い店なら、買う買わないは別にして、すぐ仲良しになれる人なので。

というわけで、近々メガネを買いに『眼鏡市場』へ行ってきます。
つづきは(2)で。。。

(エッセイ 「メガネを買いに」(1) by とうのよりこ  2008年2月)

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エッセイ 「ひとりご飯」

「ひとりご飯」   とうのよりこ

「そろそろ人出も少なくなっただろうから、明日 生田さん(生田神社)へ初詣&ランチに
 行かない?」
瑞希からのお誘いメールが届いたのは1月4日のこと。
骨折した右肩もだいぶ良くなってきたとはいえ、三が日の初詣は避けていた。
あの人出のなか、肩がぶつからずに歩くのは至難の業だろうから。
もう初詣に行く人も少ないだろうと思い、「OK」メールを返信した。

そごう1Fで待ち合わせ、生田神社へブラブラ向かう。
歩きながら、瑞希に聞いた。
「私はともかく瑞希も初詣まだだったの?」
「楠公さん(湊川神社)へ行こうと思ったんだけど、遠目で表門を見たとたん、やめたの。
 あの中に入ったら、もみくちゃにされるって」
確かに初詣の人出は尋常ではない。
「だから法隆寺へ行ったの」
「なんで法隆寺なの?」
「・・・なんとなく。すいてたわよ~。で、仏閣はすんだから、今度は神社と思ってね」
「神社仏閣のどちらにも初詣って・・・。そんなに信心深かった?」
そう言うと、瑞希は肩をすくめた。

ともあれ、2人で生田神社へ向かった。
阪急三宮の北側は、夜ともなれば賑やかだが、昼間はほとんど飲食店も閉まっているから、
静かだ。
とは言っても、人出は多い。
瑞希は時々ワタシの肩を心配してくれ、そっと人をよけてくれる。
道路側を歩かないように気遣ってくれるところなど、なんだか彼氏のよう。
なんだか、ちょっと嬉しくなる。

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