ひと足早いクリスマス(5)
クリスマス。
私は小さい頃から、クリスマスのお祝いをしてきたけれど、
両親は、無縁の世代である。
子供にあわせて、ツリーに飾りつけをしたり、ケーキを買ったり。
ロブスターも、いつの頃からか、クリスマスに食べている。
さて甥っ子にとっては、初めてのロブスター。
パクっと口に入れた瞬間、どんな顔をするか、私たち家族は
見守った。
「おいしいっ!」
あっという間に食べてしまった。
何がどんなふうに、おいしいかなんて、理屈はいらない。
もりもり、ぱくぱくと食べ、
「お腹いっぱい!」
それだけで十分なのだ。
そこには、私たちを幸せにしてくれる、「おいしい笑顔」がある。
そんなワケで、何がなんでもロブスターなのだ。
いつもは、クリスマスの夜に並ぶけれど、今年は2日早く、
家族皆で食べた。
高校生になった甥っ子は黙々と食べ、義姉の分まで平らげた。
相変わらず、食べっぷりは良く、お寿司もサラダも3人分くらいは
ペロリと食べる。
食事の後、頼んでいたテレビを2Fから1Fへ降ろしてもらった。
ブラウン管テレビなので、大きいし重い。
とはいえ、甥っ子にしてみれば、テレビを持ち上げるくらい、朝飯前。
だが、ウチの階段は急で狭いので、一人では危ないから、兄も
手伝っての作業になった。
慎重に降ろしていったので、思っていたより時間もかかり、
見ている母と私は、ハラハラ。
「大丈夫?」
母が心配して言うと、
「たいしたことないよ」
と、甥っ子は案外ケロっとしていた。
「やっぱり男の子だわねー」
そう言うと、今度は照れ笑い。
「じゃあ、テレビを運んでもらったし、お茶にしましょう」
ケーキを準備し、父にも声をかけたが、
「ワシは、お腹いっぱいだから、ケーキはいらん」
と、すげない返事。
「せっかく、買ってきたのにー」
結局、父のケーキは甥っ子が食べることになった。
少し糖分をとりすぎかな。
まあ、運動した後だし・・・。
ケーキを食べながら、それぞれ近況を話し始めた。
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