ひと足早いクリスマス(8)
甥っ子の近況。
昨年、カナダへ1年間留学していた甥っ子は、今年もまだ高校2年生。
つまり、1年留年している。
「むこうで単位はとれてたんだけど、最初から留年するつもりだったから」
そう、兄一家は口をそろえて言う。
「日本の勉強は、また違うからねー」
なるほど。
「高2を2回やれるなんて、良いわねー。受験ものびるし」
なんて、ひやかすと、甥っ子は素直に頷く。
すると、横から義姉が憮然として訴えてきた。
「受験なんて全然。アメフトのことばっかり考えてて。脳ミソ、アメフト
一色なのよ」
「部活も大事なんじゃないの?」
「適当っていうのがなくて、大学もアメフト出来るか?って基準で選ぶのよ」
「そうなの?」と聞くと、
「そればっかりじゃないけど・・・」と、やはりアメフトはキーのようだ。
「じゃあ、どこにするの?」
私は、甥っ子に聞いたのだが、義姉が答えた。
「第一志望は神戸」
「あら!良いじゃない!帰りに遊びに来てよ。お祖父ちゃん、お祖母ちゃんが
喜ぶわよ」
「ついでに、ここで下宿させてもらえない?」
「はぁ?」
義姉の言葉に、甥っ子と私は顔を見合わせ、ハモるように叫んだ。
「部屋が無いよー!」
小さい頃の甥っ子なら、まだしも、
今やウチの家系で、誰より一番デカくなった彼が住める部屋など無い。
「実家から通ってください・・・」
そう言うと、一同大笑い。
結局、医学部か否かは、はっきりせず。
理系の学部に進むことだけは、確かのよう。
まぁ、医者になってくれたら、それはそれは有難いのだけれど、
好きな分野に進んでくれたら、それで良いと思っている。
一人納得顔でいると、義姉が聞いてきた。
「お仕事、忙しいの?」
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