母のこと(51)
昨日の夕食後から、歯が痛くなった。
原因は知覚過敏とわかっているので、ガマンしていたが、
どうにもおさまらないので、痛み止めを飲み、なんとかおさまった。
休日歯科医療診療所へ行くことも考えたが、
今日は大丸へ時計の引き取りと買い物、車の給油と洗車、
それに母のお見舞いも予定していたので、
どうにも時間が割けない。
シュミテクトを買い、なんとかもたせることにした。
午後から母が入院するN病院へ。
病室に入り、
「お母さん!」と呼びかけると、
「お母ちゃん!」と、母。
呼びかけに、そのまま返事をしているのだ。
「私よ!」と言うと、
「ああ、よりちゃん。私のこと、どうやって見つけてくれたん?」
「入院してるから、お見舞いに来たんよ。」
「私、入院してるの?」
「そうよ、骨折して、入院してるのよ。」
「家に帰りたい! 帰りたい!」
相変わらずである。
「イグレックプリュスのプリンと、井津美屋の干菓子を買ってきたよ。
食べる?」
「何にも食べてないねん。食べる!」
何も食べてないことはないだろうが、病院食嫌いの母。
ヘルパーさんに聞くと、
「全部、食べてますよ。毎日、便もよく出てますし。」とのこと。
車椅子にうつり、ナースセンター前のテーブルで、
プリンと、干菓子を食べた。
食べている間はご機嫌なのだが、
食べ終わると、喉の不快感をおぼえるのか、
痰がゴロゴロとからんでいるような音を出す。
看護師さんに、痰の吸引と口腔ケアをしてもらったが、
酸素量、血圧など、特に異常ナシ。
そういえば、酸素マスクもとれている。
「お母さん、顔色も良くなったし、ふっくらしてきたねぇ。リハビリもしてるの?」
「リハビリ、してない!」
「歩けるようにならないと、お家に帰れないよ。」
「歩けなくても良い! 歩けたって、ろくなことがない。」
「困ったねぇ。今日ね、私、あんまり長く居れないの。
明日から仕事だからね。」
「うん、早めに帰ったらいいやん。私も一緒に(家に)帰るわ。」
「お母さん、折り紙しよっか。鶴って、どうやって折るんやったっけ?」
「・・・。」
話題を変えても、帰宅願望は消えない。
このままだと、また私も帰りづらくなる。
2時間ほどして、リハビリ担当の人がやってきた。
「リハビリに行きましょうか?」
「しんどいから、行きたくない。」と、ごねる母。
「お母さん、リハビリの先生に、身体をさすってもらったら、どお?
ちょっと1Fに降りてみようよ。カッコイイ男の先生がいっぱい居るわよ。」
すると、しぶしぶ頷く母。
リハビリルームに降りると、
「こんにちは!」と、リハビリ療法士さんが笑顔で迎えてくれる。
母も、小さく応える。
バーにつかまり、伝い歩きをするのは、気が乗らないようなので、
先にマッサージをお願いする。
寝転んだ母に、
「がんばってね!」と手を握り、そのまま病院を後にした。
本当はもう少し居たかったのだが、
首から肩にかけて、激痛がはしっていた。
帰宅し、自室で1時間ほど休むと、いくぶん痛みもマシになった。
予定より早く帰った私に、父は意外そうな表情をしていたが、
痛みを理解してもらえるとも思えないので、
「疲れたから、早めに帰ってきた。」とだけ言った。
最近、父も反応がずいぶん鈍くなった。
とはいえ、母によると、
「昔から、お父さんは、人の話をよく聞かない」人らしい。
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