ふなっしープリッツ 梨汁ブシャー味
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土曜日、母のもとへ。
置き菓子が少なくなっていたので、マックスバリューで、中村屋のアイリッシュ、ふわくるみ(小倉、抹茶、黒糖)、神戸風月堂ぶっせ、マドレーヌ、フィナンシェを買って行った。
病院へ着き、半月分(1/1~1/15)の支払いを行う。
「今日お支払いになられます?」
請求額 134,400円也。
「えっと、あります。支払って帰ります」
支払った後、私のお財布は千円札のみとなった。
病室フロアへ上がると、母がいた。
「あ、娘さんが来られましたよ!」
傍にいたヘルパーさんが嬉しそうに声をかけた。
「よかった。来てくれて」と母。
「朝からずっと、お名前を呼んでおられましたよ。聞こえました?」
「いつものことでしょ」
私は苦笑した。
ナースステーションをのぞき、看護師さんに声をかけ、
「帽子、見つかりました?」と聞いた。
1/13に持って行ったマキシンのニット帽(シルクの室内用)がなくなっていた。
「すみません、まだ見つかっていません・・・」
「見つからなかった場合、弁償いただけると仰っておられましたので、一応、領収書を持ってきました。あと、帽子はこの写真を見ていただければ、名札がはずれていてもわかると思います」
用意した手紙と、帽子をかぶった母の写真を渡した。
母を連れて、病室へもどり、お菓子をひろげた。
「お菓子持ってきたよ。食べる?」
「食べる」
ふわくるみの黒糖を手に取り、口に入れた。
「おいしい?」
「おいしい」
火曜日の夜とちがって、母は落ち着いていた。
看護師さんによると、火曜日から金曜日まで、ハイテンションで、車椅子からずり落ちたり、ベッドの柵から足を出したり、不穏行動が続いていたという。
言い表せない不安が母をおそうのだろうか。
「そうそう、ハルエちゃんからお見舞いのお手紙をいただいたよ」
ハルエちゃんとは、母の又従姉にあたる同い年の女性である。
「読む?」
手紙を差し出すと、いったん頷いたものの、
「やっぱり難しいかな」。
「老眼鏡がないから、見えないわね。じゃあ、私が読むね」
ハルエちゃんの手紙は、実にユニークな書き出しである。
「うわっ、大変! 骨折したんですって」
母も「ハルエちゃんらしい」と笑う。
ハルエちゃんも、去年交通事故にあい、足腰が弱くなってしまったが、なんとかふんばっているという。
「お互い歳をとりましたね、だって。同い年だもんね」
「そう。同い年」
ハルエちゃんの手紙には、子供の頃のことの思い出話がしたためられていた。
地蔵盆でゴザを敷いてもらって、小さなお重箱でお昼を食べたこと。
浴衣の袖いっぱいにお菓子(煎豆)をもらったこと。
餅屋さんがドラム缶いっぱいの餅をふるまってくれたこと。
湊川神社のお祭りでは見世物小屋が楽しみだったこと。
豆腐屋の小母さんがこわかったこと。
小父さん(母の父)の集金について行ったこと。
ハルエちゃんが母の家に泊まりにきて、枕をならべて寝たこと。
ハルエちゃんは、
「あなたのような文才がないから、とりとめのないオカシイ文章になってしまったわ」
なんて謙遜していたが、いやいやどうして。
楽しい光景が思い浮かべられる、実にうまい文章だ。
それに、字もうまく、なんといっても手紙に品がある。
読み終えたあと、母に「お返事、どうする?」と聞くと、
「落ち着いてから、返事を書くわ」と母。
「そう」
母はもう字が書けなくなっているので、私が代筆することになるだろう。
そのとき、母と私の写真を同封しよう。
ハルエちゃんは、
「あらあら、オバアチャンとオバチャンになっても、仲の良い母娘ね」
なんて笑ってくれるかも。
しばらくして、病院の事務長さんが、帽子紛失のお詫びにと、病室をたずねてきた。
母にも会いたいというので、病室に入ってもらった。
知らない人には敬遠する母だが、いたくご機嫌だった。
夕食時になり、帰り支度をはじめた。
「また来るね」
すると、母。
「気をつけて帰りよ」
母は、以前と変わらぬ母の表情だった。
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大腿骨頚部外側骨折手術から、1ヶ月余り。
昨日、手術後の状態と今後について、主治医から話があった。
「診察が終わってからになるので、20時すぎに来てください」
と、地域連携相談員。
いつも思うのだが、こちらの都合も聞いてほしいものだ。
いったん帰宅し、夕食をとり、車で病院へ向かった。
父は早めに行くと言っていたが、病室に着くと、
「早かったなー。ワシも20分くらい前に来たとこや」という。
「なんで?」
「神戸駅 18時30分発の市バスに乗って、19時に最寄のバス停に着いてな。そこから、ヨボヨボ歩いてたら、19時15分すぎになった」
「あらまあ・・・」
タクシー代もバカにならないと、父は1時間かけて市バスを乗り継ぎ、病院へ行く。
帰りは、国道を渡らなければならないので、途中までタクシーに乗り、市バスで帰ってくる。
本当に、ご苦労さん、である。
「お母さん、具合はどう?」
「悪い! あのねー、帽子がなくなったの!」
「ええっ? マキシンの6,000円の帽子が?」
「6,500円でしょ」
母は私が言った金額を正確に覚えていた。
「なんで? 今日お風呂の日よね?」
すると、母。
「元町郵便局へ行って、局長に会おうとしたら、出てこないねん。あそこの局長はアカンわ。ほんで、大丸へ向かったら、道でこけてね。そのとき、帽子がなくなったん」
元町郵便局? 大丸?
また夢でも見ていたのだろうか。
父が「お母さん、大丸へはタクシーで行ったの?」と聞くと、
「そこのバス停から、バスに乗って行った」と母。
どうやら家にいるときのことと思っているようだ。
「こけたんやなくて、ベッドの柵の間から右足を出して、すりむいたらしいねん」
父はそう言って、母の右足のすねを指差した。
すりキズがあった。
「痛い?」
「痛い!」
「キズ口に薬をぬってもらわなくて良いの?」
「勝手にこけたから、そんなこと言われへん」
「そう・・・。干し柿持ってきたよ。食べる?」
「食べる」
干し柿を2口食べたところで、ケアマネさんがやってきた。
母は、かつて勤務していた頃の知り合いと思いこみ、親しげに話をしていた。
話がもりあがった頃、院長がひょこっと顔を出した。
父が「お母さんも話を聞きに行く?」と聞いたが、
母は「行かない」と答えたので、私達は病室を出た。
院長の説明は、予想どおり長かった。
とにかく、話が長い。
すでに聞いた話をくりかえし、熱が入ると、何度も同じことをいう。
ひととおり話を聞いたあと、(私もずいぶん辛抱強くなったものだ)
「質問いいですか?」
「はい」
「手術の結果は良好と見て良いのですね?」
「良好です」
「運動機能は、1段階 レベル低下したということですか?」
「そうです」
「平行棒で 計6メートル歩けるようになったと、リハビリの先生に聞きましたが?」
「気分のムラに、リハビリ進行は左右されていますね」
「さきほど仰った、リハビリのためのリハビリとは?」
「ご本人がリハビリをしようという意思があまりないため、リハビリメニューをこなすための指示を出して、やっという意味です。ですから、在宅となると、非常に厳しいと思います。介護するお父さんがひっくり返って、二人とも骨折ということもあり得ます。それと、前にもお話したとおり、骨折しやすい状況 ”負のスパイラル” に陥っているので、疲労骨折を起こす リスクがあります」
「認知症が進行しているとうかがいましたが、今どのレベルなんですか?」
「レベル Ⅳギリギリのところ、Mにはいたっていないかな」
「環境の変化で、改善することはありますか?」
「家へ帰られたら、よくなることもあります」
「施設に入っても問題ない状況でしょうか? 持病もありますし・・・」
「心臓のほうは落ち着いていますよ。薬もずいぶん少なくなりましたし。お母さんの良いところは、食欲があることです。これって重要なことなんですよ」
ずいぶん端折って書いたが、実際はもっと長々と説明された。
つまり、病状も安定している今なら、受入れ先(施設)さえ見つかれば、いつでも退院できるとのこと。
3ヶ月を過ぎ、病院側としては、そろそろ個室を明け渡してほしいようである。
とにもかくにも、病状が落ち着いていると聞き、安心した。
病室にもどると、一人とり残されていた、と母は不機嫌だった。
「うどんが食べたい。うどん!」
「こんな時間に、うどんなんてないわよ」
「うどんが食べたいの!」
30分前に、眠剤を飲んだのに、興奮しているのか、「うどん」を連発する母。
私達がいると、よけい眠らないので、看護師さんに後のことをお願いして、病院を後にした。
今日、病院から、
「車椅子からずり落ちて、慌てましたが、検査の結果、異常はありませんでした」
と電話があったという。
まだ興奮状態が続いているのだろうか。
この前の日曜日は、普通だったのに、そんなに変わるのだろうか。
「お母さんはご機嫌が良いときは、にこっと笑ってくれるんですけど、手術前なんて、『なんで手術せなアカンの? 絶対イヤ!』と、屁理屈で反論され、困りました」等、院長は「以前から会話が成立しない」と言っていたが、それは今にはじまったことではない。
母は、私が子供の頃から、
「お母さんの言うことがすべて正しい。間違ってるのは、アンタ」であった。
たとえば、母の言ったとおりにしても、結果が間違っていたら、
「なんでお母さんの言うとおりにしないの?」と怒る。
「お母さんが言ったとおりにしたよ」
「お母さんはそんなこと言わない! またウソをつく!」
「ウソついてない。お母さんがそう言ったのに・・・」
「言ってない!」
最後は、私が根負けし、あやまる。
大人になっても、これは変わらなかった。
確かに、母の認知症も進んでいるのだろう。
だが、母の場合、その性格が大いに影響しているんじゃないの?
と思えてならない。
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携帯電話の着信画面に「父 携帯」と表示されていると、
”母に何かあったのだろうか?”
と、ドキッとする。
「もしもし」
「ああ、よりちゃん。今ええか?」
「なに?」
「あのなー。特養の相談員の人から電話があって、お母さんに会いたい、言うんや」
「いつ?」
「日曜日の3時頃に」
「わかった。お父さんも行ってくれるよね?」
「行く。そやけど、何の話やろな?」
「申し込んだから、本人の様子を見に行くってことなんじゃないの?」
「そやろか・・・」
電話を受けたとき、もっと詳しい話を聞いておけば良いのに。
まったく父も呑気である。
日曜日 2時すぎ、父を連れて病院へ向かった。
車中、「何の話やろか・・・」とブツブツ言う父。
私はイライラするのをおさえて、ガマンしていた。
病院へ着き、お見舞いにいただいた苺を、3人で食べた。
苺のあとは、ふきよせ、曙の海苔巻き、ツマガリのクッキー。
相変わらず、母の食欲は旺盛である。
しばらくして、相談員の方が来られた。
昨年12月に見学に行ったとき、会った人だった。
「今週、入所判定会議があるので、事前にお話をお聞きしたくて」
そう言って、母に自己紹介を行った。
このとき、”老人ホーム”という言葉が出たので、父も私も母の反応をうかがった。
母は、つくり笑いをうかべながら、応えていた。
こういう表情のときは、母は慎重になっている。
私は母の緊張を少しでもほぐせれば、と思い、軽く背筋をさすり続けた。
いろいろ質問された。
結婚したのはいつか、いつまで仕事を続けていたのか、家族構成、趣味など。
かわりに私が答えていると、
「そんなことまで話さんといて」と怒る。
「別にいいやん」
「ええ意味でとってくれるとは限らへん」と、相談員をにらみつける。
「いやいや、多趣味でいらっしゃると思いますよ」
そう相談員がほめると、
「話が長いわ。もうちょっと要領よく話をしたら?」と、怒る母。
この言葉には、さすがに面食らった。
相談員の方も、「すみません・・・」と恐縮され、父も私も苦笑するしかなかった。
母にしてみれば、
いきなりやってきて、根ほり葉ほり聞くアヤシイオッサン。
なんで、自分のことを話さなアカンねん!
だったのだろう。
なんとか母をなだめ、面談は終了した。
「疲れた?」
「疲れた。なんか食べたい」
「おにぎりせんべい、食べる?」
「食べる」
食べたあとは、また全身がだるい、気持ち悪い。
看護師さんに、血圧と酸素量をはかってもらい、
「悪くないですよ。お薬飲む必要もありませんよ」
と言われ、ガックリする母。
「帰りたい」
「もうすぐ夕食だからね」
「お父さんとよりこも、ここで食べていくの?」
「ううん、お父さんと私は、帰りに晩御飯を買って帰る」
「私も帰る」
「明後日、院長先生から話があるから、病状を聞いておくね」
「私も聞くの?」
「話はお父さんと私が聞くから」
「そのあと、帰りたい」
「院長先生の話を聞いてみないと、帰れるかどうか、わからないよ」
「・・・」
帰宅願望は、元気になった証だ。
しかし、この先のこと、どうしたものか。
父に母の説得をお願いしているが、父も自信がないという。
「私はダメよ。お母さんが信頼しているのは、やっぱりお父さんだもの」
「そうかな・・・」
「そうよ。お父さんが行くと、お母さん、すっごく落ち着いているもん」
そう。
母にしてみれば、私はやはり ”甘ったれ娘” なのだ。
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昨年、父に
「お母さんから、2つの銀行の通帳を預かってるんやけど、印鑑もわからんし、暗証番号も定かではない。あっちこっちの銀行へ行くのはムリやから、ひとつの銀行にまとめたいんやけど・・・」
と相談された。
休暇をとり、2つの銀行へ聞きに行ってみた。
複数の印鑑を持って行ったが、どれも照合しない。
「印鑑をさがしていただくのが一番早いのですが・・・」
「他にはもうありません」
「では・・・紛失届けをしていただいてから、解約となります。ご本人様はお越しいただけますか?」
「入院しているので、ムリです」
「それでは、病院へうかがって、ご本人様に面談し代理人を指定いただくか、成年後見制度を利用いただくか、となります」
2行とも回答は同じだった。
成年後見制度となると、申し立てから開始まで期間も必要となるだろう。
父と相談し、母に会ってもらい、代理人を指定する方式を選択した。
どうせなら一度にすませてしまおうと思い、2行と父のスケジュールを調整し、先に本人承諾を終えた。
年末、ひとつめの銀行の手続きが完了。
今日は残り1行へ行き、手続きをしてきた。
年越しになったので、ちょっと肩の荷がおりた感じ。
すでにデパートのカード解約もしたし、ひととおりの整理はついた。(と思う。)
その足で、病院へ行くと、
「頭がおかしい」と、ベッドでうなっていた。
「昨日、芦屋大丸へ行ったから、曙の海苔巻きを買ってきたよ。食べる?」
「何も食べてないねん! 食べる!」
「お昼ご飯、食べたでしょう?」
「私、食べた?」
「食べたよ。だって、お口のまわりに(食べかすが)ついてるもん」
ホットタオルで顔と手を拭き、化粧水をつけると、機嫌が良くなった。
先にプリンを食べてから、海苔巻きを口に入れた。
「美味しいけど、かたい」
「かたい? うーん・・・、お母さんが好きなのは、とよすの品川巻よねぇ。あれ、もう売ってないんだって」
「(曙の海苔巻きは)かたいから、左では食べられへん」
見ると、左下の歯がぐらぐらゆれている。
じき、この歯もまた抜けてしまうだろう。
今の歳まで、すべて自分の歯が自慢だった母。
ところが、一本抜け、また一本・・・となくなっていく。
食べることしか楽しみがないというのに、思えばかわいそうだ。
「やわらかいものが食べたい」
「ツマガリのクッキーは?」
「食べる」
「文明堂の抹茶カステラ、食べる?」
「食べる」
ひとしきりお菓子を食べると、次はトイレである。
ヘルパーさんにお願いし、車椅子でトイレへ連れて行ってもらった。
いつもは夕食まで傍にいるが、今日は別の用事があったので、帰ってきた。
私が帰ったあと、母はどうしているのだろう。
またすぐ戻ってくると待っているのか・・・と思うと、切なくなる。
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土曜日、母のお見舞いに行ったとき、
「あのー、こんなに洗濯物がたまっているのですが・・・」
と、ヘルパーさんに聞かれた。
「え? クリーニングをお願いしてますけど?」
「ええっ?」
病院の手違いだった。
入院したときは4Fで、病状が落ち着いてから3Fに移った。
大腿骨頚部外側骨折の手術を受けることになり、再び4Fに戻った。
このとき、うまく引継ぎがされなかったようだ。
肌着は半袖が1枚、靴下は数足予備があるが、クリーニングに出すと、約2週間かかるという。
自宅にどのくらい残っているかわからなかったので、1セット持ち帰って洗濯することにした。
「明後日あたり、持ってきますわ」
「それじゃ、ベッドから起きたとき、髪の毛が逆立つので、帽子も持ってきてくださいね」と、看護師さん。
「帽子?」
「ツバのないものね。お顔が見えないから」
母に聞くと、
「黒い帽子があったでしょ。あまりツバが広くないの」
「さがしてみるわ」
と答えたものの、母が言っているのは外出用の帽子だろう。
部屋の中でもかぶっていられるものが良い。
昨日、大丸へ出かけた。
まず介護用品の店で聞いたところ、バンダナしか置いてないという。
母が身に着けたときの姿をイメージする。
・・・ちがうな。
1Fの帽子売り場で、ツバのないニット帽をいくつか試してみた。
良いなと思うものはマキシンの帽子で、案外、高い。
もう少しお手ごろなものはないかと、店員さんに聞いた。
「入院中の母の帽子です。寝ていても違和感のないものが良いですね。色は黒で・・・」とつけ加えると、
「同じご要望のお客様がいらっしゃって、おすすめしたものがございます! 少々お待ちくださいませ」
持ってきたのは、マキシンのシルクの帽子。
薄くて軽く、手触りも良い。
ただ値段は少々高め。
母がかぶったときのイメージは・・・ピッタリ!
お正月のプレゼントにしよう。
支払いは・・・たまっていたポイントで払おう。
帰宅してから、帽子に名札をとりつけた。
裁縫は大の苦手であるが、母のため。仕方ない。
ついでに、予備のカーデガンも持っていこうと思い、2枚とりつけたら、グッタリ。
明日は午後からゆっくり病院へ行こう・・・なんて考えていたら、とんでもない一日になってしまった!
朝起きると、とにかく首筋から頭が痛い。
朝食をとり、整形の薬を飲み、少し休んだ。
うつらうつら眠って起きると、ますます痛い。
吐き気までする。
朝食べた、生クリームたっぷりのパンがいけなかったのか?
しまいには、吐いてしまった。
胃腸薬を飲み、しばしダウン。
少し眠ったらしく、母の夢を見た。
行方不明と心配する夢だった。
ハッと起き、少し気分が良くなっていた。
夕食の準備をしてから、3時半すぎに出かけた。
駐車場までの道のりを歩いていると、なんだかフラフラする。
考えたら、朝のパンは吐いたし、そのあとまともに食べていなかった。
今さら食べても中途半端になるので、ガマンすることに。
病院に着き、看護師さんに、持ってきた帽子、服、下着類を記録してもらい、母の病室へ。
ドアを開けると同時に、「よりこー」と母。
「はい」
「よりこ? ホンモノ?」
「ホンモノです」
「ああ、よかった」
さっそく帽子をかぶってもらう。
やっぱり似合う。
「マキシンの帽子なら、高かったでしょ。そんな高いものでなくても良いのに」
「6,500円だったかな。お正月プレゼントってことで」
母は機嫌よく笑った。
あとはいつものごとく感情の起伏激しく。
お菓子を食べると、いったんおさまり、しばらくすると、気分が悪いとうったえる。
「今日は私も体調悪いからね。あんまりムリ言わんといて」
「お母さんは、もっと体調悪い!」
まったく、減らず口健在である。
夕食の時間になり、ディルームへ向かうと、他の患者さんから、
「あら、かわいい帽子!」
と絶賛された。
当の本人は、すまし顔。
ちょっとは愛想笑いでもすれば良いのに。
「かわいいでしょう。今日持ってきたんですよ」
横で、親バカならぬ、娘バカである。
「じゃあね、よく食べて、よく寝てくださいね」
「帰るの?」
「今日は具合が悪いから帰るよ。バイバイ」
帰宅して、夕食をとり、そのあと1時間ほど寝た。
まだ痛みがとれないので、早めにお風呂に入り、コリをほぐした。
本当にグッタリの一日だった。
早めに寝よう・・・、って、もう10時半!
このぶんだと、またすぐに眠れず、睡眠不足になる・・・。
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約1週間ぶりに母のもとへ。
先に会計で12月後半分の支払いをすませ、病室に向かった。
ナースステーションに顔出しすると、
「待っておられますよ!」と看護師さんに言われ、苦笑した。
母は、根がさびしがり屋ということもあるが、何か気に入らないことがあると、
「お父さーん! よりこー!」と、ベッドの柵をガタガタゆすりながら叫ぶ。
また何かあったのかな? と思いながら、そーっと病室に入ると、
「あ、よりちゃん、帰ってきたの?」と母。
「いま来たとこ。どう?」
「何もすることがなくって、とにかくしんどい」
「干し柿を持ってきたよ。食べる?」
「食べる」
ヘルパーさんを呼び、車椅子に移動させてもらう。
「最近は、ご自分で動くよう頑張っておられますよ。トイレも行けるようになりましたしね」
「へぇー。お母さん、すごいねー」
すると、母。
「動かな、しようがない」
減らず口も相変わらずだ。
テーブルに、紅茶、干し柿、クッキー、おかきを並べた。
ひととおり食べては、
「干し柿、おいしい」
「ゴマクッキーは、かわった味。
くるみクッキーは、思ったほどでもない」
「ショコラあられは、チョコの味ばかりで、好きとちがう」
「まがりせんべいは、大きいばかりで、おいしくない」
ほとんど酷評である。
「そうだ、お母さんのお友達が文明堂のカステラを持ってきてくれてたわよね。開けてみようか」
開けてみると、カステラ 2箱と抹茶カステラ 1箱のセットだった。
「どれ食べる?」
「抹茶カステラ」
「全部食べきれないよね。どうする?」
「看護師さん達にあげたら良い」
「じゃあ、お母さんから渡してくれる?」
「うん」
母の膝にカステラの箱をのせ、車椅子を押し、ナースステーションへ向かった。
看護師さんに声をかけ、母の耳元で「渡して」とささやいた。
母はカステラの箱を差し出し、「どうぞ」と言った。
「え? 私たちに? お気持ちだけで十分ですよ。ご自分で召し上がって」
と、看護師さんはなかなか受け取らない。
母も、「食べて」とゆずらない。
すると、看護師さんは
「受け取らなかったら、『なんで受け取らないの?』って怒られるわね。じゃあ、遠慮なくいただきますね。有難うございます」
と、笑って受け取ってくれた。
母は、人に贈り物をするのが好きである。
すっかりご機嫌になったのかと思いきや、病室にもどると、
「頭が痛い、痛い」と言い出した。
「どこ? ここ?」
首をマッサージしてみたが、痛みがおさまらないようだ。
仕方なく、ナースステーションの窓ごしに、看護師さんを呼んだ。
母の耳元で、「自分で頭痛い、って言って」とささやくと、
「頭痛い」と母。
「あら、頭痛いの? 血圧が高くなってるのかな? 測ってみましょうね」
しかし、血圧はそう高くない。
こういうとき、「少し様子を見ましょうね」と言われるのがオチだが、いったん「痛い」と感じると、痛み止めの薬をもらうまで、テコでも引かない母。
「軽めの痛み止めを飲んでもらいましょうか」と、飲ませてくれた。
薬を飲むと、頭痛は落ち着くが、今度は胸が苦しいと言い出す。
「お菓子を食べすぎて、胃が痛いんじゃないの?」
「ちがう。胸が苦しい」
「ここ?」
胸をさわると、「もっと下」。
やはり胃である。
背骨がまがった母が、車椅子に長く座っていると、胃を圧迫し、苦しいのだ。
今度はヘルパーさんにベッドへ移してもらうようお願いした。
これで楽になる・・・わけではない。
「(リハビリパンツとパジャマのズボンの)ゴムがきつい! なんとかして!」
母は、とても小柄な人である。
今の身長は140センチぐらい、体重は30キロもないかもしれない。
その母が、Mサイズのリハビリパンツとパジャマのズボンのゴムがきつい、とうったえる。
しつこいようだが、言い出したら、きかない母。
ヘルパーさんに頼み、Lサイズのものに変えてもらった。
着替えるとき、
「ズボンの半分に、身体全部が入りそうよ」
と、ヘルパーさんが笑っていた。
それくらいブカブカなのに、母は「楽になった」と、ようやく満足した様子である。
気分転換にテレビをつけると、映画「利休にたずねよ」の紹介番組をやっていた。
お気に入りの俳優が出てくると、一生懸命見ているが、あまりよく知らない俳優だと興味がないので、「うるさいから、消して」と言う。
まったく難しい人である。
そうこうしているうちに、夕食の時間になった。
また車椅子にうつり、ディルームへ向かった。
夕食は、鶏肉と野菜の炊き合わせ、おひたし、デザート。
母は、私にまだ居てほしい様子だったが、ご飯の上にふりかけをかけ、
「しっかり食べてね」
そう言って、病院を後にした。
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お正月3日、不二家のソフトエクレア(キャンディ)を食べていたら、右下の歯のつめものがとれてしまった。
以前、ミルキーでとれてしまったとき、歯医者へ行ったら、
「つめものを持ってこられました?」と聞かれたので、
「え? 捨てましたよ。部屋のゴミ箱に」
そう答えると、いかにも残念そうな歯医者さん。
「持ってきてくれたらよかったのに!
再利用できたかもしれんのに・・・」
「ええっ!?」
歯医者といえば、何度も何度も通わなければならないのが面倒である。
今回は捨てずに置いておいた。
5日に予約の電話をいれると、
「18時半に来れますか? つめものはありますか?」
「行けます! つめものも持ってます!」
つめものを持って行くと、再利用してくれ、15分くらいで完了。
その足で眼科へメガネを取りに行った。
年末に作っておいた、部屋用のメガネである。
普段はコンタクトレンズを使っているが、最近目の調子が悪くなることが多くなった。
数年前に買った近視用のメガネは度がきついため、車の運転には良いけれど、パソコン画面は見づらい。
近視用のメガネの上から老眼をかければ、よく見えるが、なんとも奇妙な光景である。
そこで、近距離用のメガネを買ったというわけ。
そして今日は、かかりつけの内科のもとへ。
首こり、頭痛がひどいので、肩に注射をうってもらった。
少しスッキリ。
週末は皮膚科へ行く予定。
今年も病院めぐりは、続くのであ~る。
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冬ゴルフの前夜は、天気予報で気温をチェック。
神有カントリー倶楽部は、三田市に近いので、
地域を三田市に変更してみると・・・
朝6時 -5℃、9時 -1℃
かなり暖かくしていかないと
キャップの上には、ファータイプのイヤーウォーマーを。
首元にはマフラー。
ゴルフウェアは、ヒートテック、シャツ 2枚、セーター、ブルゾン、
レギンス、起毛パンツ、パンツ、レッグウォーマー 2枚。
背中、腰、お腹には貼るカイロ。
ゴルフシューズの中には、中敷カイロ。
ここまで重装備しても、クラブハウスを出ると、
風が冷たく、寒い 寒い 寒い
まったく、冬ゴルフは耐寒訓練のごとき。
いやいや、2014年もゴルフが出来ることに感謝、感謝である。
今日の初打ちは、良いスコアを出そうとか欲を出さず、
リラックスして、楽しくラウンドしよう。
結果、スコアはさっぱりだったけれど、
以前のティショットがもどってきた
少し体重が増えたので、下半身も安定してきた。
健康でゴルフが出来ることが、つくづく幸せだと感じた一日だった。
☆ お昼は、またまた天麩羅そば。
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手作りフォトスタンドに、元旦に撮影した写真を貼り付け、
母のもとへ持って行った。
ものすごく感激してくれるかと思いきや、
「何か食べたい」と、食欲優先である。
干し柿、焼き菓子、柔らかいおせんべいを食べ、
紅茶を飲み、ひと心地。
「お醤油のついた、おかきが食べたい」
「おかきは・・・ないねぇ」
おかきは、ノドにつまりやすいので、避けてほしいと
言われているので、置いていない。
言い出すと、きかない人なので、父に電話した。
(困ったときの父頼み)
「もしもし、ああ、私」
電話口のむこうで、父が「元気か?どうや?」と気遣っている。
「あのねぇ、お醤油のついた、おかきが食べたい」
「お醤油のついた、おかきが食べたいの?
今度行くとき持っていくわ」
「今度って、いつ?」
「来週の月曜日かな」
「3日後? えらい先やねぇ」
父と話をしている間、私は中腰で、母の耳元に携帯をあてて
いるので、苦しい体勢である。
腰も痛くなってくるが、せっかく機嫌よく話をしている母のため。
じっと辛抱、辛抱。
ようやく電話が切れ、
「お父さん、なんて?」
「よりちゃんと買いに行くって言っとった」
「お父さんと? 行かへん、行かへん。
お父さんと買い物に行ったら、倍時間がかかるもの。
私がとよすで海苔巻きを買ってくるわ」
「そうそう、とよすの海苔巻き。持ってきてよ」
「はい、はい」
母は、デパ地下ショッピングが大好きである。
たとえば、マロングラッセ、チョコレートは、メリー。
洋菓子は、アンリやアンテノール。
おかきは、とよす有庵。
パンは、ドンクやアンデルセン。
お惣菜は、ロックフィールド、豆藤、ポートピアホテル。
そして、スーパーならいかりスーパー。
だいたい決まっている。
毎日、三宮へ買い物に出かけては、
父と私の好きなものを買ってきてくれていた。
買ってきたものは、その日のうちに食べ、
残ったものは処分してしまう。
一方、父は「捨てるなんて、もったいない」と言い、
何日も食べ続けるので、よくお腹をこわす。
今夜も、「やめといたほうが良いんとちがう?」と忠告したが、
すき焼きの残りを食べ、案の定、気持ち悪いと言い出した。
よく母が、
「お父さんは、意地汚いから」と言っていた。
実に、的を得た言葉である。
ときどき母は、冴えたいことを言う。
「首が痛い」と言うので、首をマッサージした。
「どう?」と聞くと、
「どうって、ギンくらいかな」
「ふーん」
一拍おいて、気づいた。
「ああ、銀ね!」
どう=銅 に対して、ギン=銀 という答えである。
金(キン)を得ようなんて、所詮は無理なこと。
ほとほと母には、太刀打ちできないのである。
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昨夜ブログを書き終え、すぐ寝れば良いものを、
テレビをつけると、「野性の証明」を放送していた。
ついつい見てしまい、3時前。
午後から母のもとへ行くので、寝不足はマズイ。
なのに、「そうだ、写真を持って行こう!」
なんて思いついてしまった。
アルバムを数冊ひっかきまわし、
ディズニーランドで撮った両親のツーショットを
見つけたときは、さがした甲斐があったと、自己満足。
ようやく寝たのは、朝の4時である。
ハッと目覚めたのは11時!
あわてて飛び起き、お雑煮の仕度をし、
父とおせち料理でお祝いをした。
母抜きのお正月は、はじめてのこと。
やはり、母がいないとさびしい。
そのあと、年賀状を分ける。
母あてにも、10数枚届いていた。
私はうっかり出していなかった方への返礼を書き、
2時前、母のもとへ向かった。
病院へ着くと、母が待ちかねていた。
「あけましておめでとう、お母さん」
「おめでとうさん、帰る?」
「今からね、おせち食べようね」
「うん」
一人分のおせちを広げ、母にご賞味いただく。
味は・・・、「まあまあ」とのこと。
舌のこえた母には、値段を下げたとお見通しのようだ。
しばらくして、兄夫婦と甥っ子が来てくれた。
今春大学4回生になる甥っ子は、相変わらずデカく、
髪をのばし、後ろで束ねている。
(ストリートダンスをやっていたからとか。
ただ今は勉学が忙しくなったため、
さすがにダンスはやめたらしい。)
母もたった一人の孫が来てくれて、嬉しそうである。
手術後、足の痛みもなく、とても具合が良いと応えていた。
甥っ子と写真を撮り、しばらく会話を楽しんでいたが、
やはり疲れたのか、苦しいと言い出した。
看護師さんを呼び、見てもらったが、大丈夫とのこと。
車椅子からベッドへうつったが、今度は頭と胃が痛い、という。
おせちとお菓子を食べ過ぎたのかもしれない。
交互に母のお腹をなで、様子を見た。
少しして、父と義姉、甥っ子が夕食の準備のため、
先に帰ることになり、母はますます苦しいを連発。
兄と私がなだめたが、今にも死にそうな表情をうかべる。
心配になり、看護師さんを呼ぶと、
「大丈夫ですよ。お子さんが来ておられるので、
甘えてはるんでしょう。
さあ、夕食ですよ。起きましょう。
一人で出来ないと、家に帰れませんよ!」
と、ややスパルタな対応。
無理やり起こされた母は、憤慨している。
「痛い! イヤっ! さわらんといてっ!」
ようやく合点がいった。
ときどき母が大声をあげるのは、こういう状況のときだ。
母は、好き嫌いが激しい。
やさしくしてくれる看護師さんやヘルパーさんの言うことは
よく聞くが、今日のような扱いをされると、
「痛い! イヤっ! さわらんといてっ!」と、拒む。
なるほど。
お母さん、私なら、こう言うわ。
「そんなエラそうに言うアンタは、何様のつもりやねん!?」
母と私が実によく似ていると感じたひとコマである。
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