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2014年2月

母のこと(79)

さすがに日曜日は、10時までぐったり寝ていた。
身体の左側(頭から首、腕)がしびれているような感覚。
重い荷物を持ったせいだろう。

父は、散髪がてらダイエーへ母の買い物
(洗濯ネットとポール型の洋服かけ)に出かけた。
高齢のわりに元気だ。

遅い朝食をとったあと、しばらくゴロゴロしていたが、
「えいっ!」 と起き、大丸へ出かけた。
夕食は、スギモトの牛肉弁当(手抜き)と梅の花のおかずセット、
RF-1の炙り牛肉、海老とブロッコリーサラダ。
すべて手抜き。
あと、ポールボキューズのパンを買った。

この日はバスで出かけていたので、
またまた荷物の重さが左肩・腕にのしかかる。
(右肩を骨折したので、どうしても左に持ってしまう。)

夜、特養が電話があり、
「セーターだと縮んでしまうかもしれないので、
ユニクロとかで安い服を買ってきてください」とお願いされた。
「縮んでも良いので、どうぞ洗濯機で洗ってください」
「そういうわけには」
「いえいえ構いませんから」
結局、私が折れ、次回持っていくことになった。

電話をきったあと、急に気分が悪くなり、
そのまま寝こんでしまった。
父が2日連続で特養から電話があり、
母に対して腹を立てていたのはわかっていたが、
父のフォローどころではなかった。

今日、ケアマネさんへ電話をし、
「他のご家庭も同じようだと説明してくれます?
父ひとりでかかえてしまってて。
私も体調が悪いので、話を聞けてないんですよ」とお願いした。

早速、ケアマネさんから電話があったようだ。
「そんなに特養へ顔を出すもんじゃない。
慣れるまで、ほっといたほうが良いって怒られた」と父。
「心配してくれてるんでしょ」
「そやなー」と、まんざらでもない様子。

「折りたたみの机と椅子ね、
昨日ネットで調べたものは在庫切れだったから、
ちょっと高いのを買って、送っといたよ」
「いつ着くん?」
「水曜日の午前中」
「そうか。そしたら、週末行ってくれるか?」
「え? あんまり行かないほうが良いんじゃないの?」
「椅子と机は、開けて置かなアカンやろ」
「・・・そうやね」

結局、誰かが行ってることになるんじゃないの?

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母のこと(78)

今日、母が病院から特養へ移った。
昨年12/23、特養 3施設の見学に行き、
父が「ここに入れれば良いなぁー」と言ったところである。

1/6にケアマネさんへ申請書を渡し、すぐ申し込んでもらった。
ただし、どの施設も160人以上待ちとのこと。
退院間近に大腿骨頚部骨折で手術した経緯から、
病院に入院期間を延ばしてもらっていたが、
「個室を希望されている患者さんがお待ちなので、そろそろ・・・」
と言われていた。

そんなとき、特養から母に面談したいとの連絡があった。
なんだかよくわからないが、1/19 父と病院へ向かった。
来られたのは、去年見学したとき、説明してくれた方だった。
面談の理由を聞くと、
「ちょうど空きが出たので、入所希望の方にお会いするために来ました。
去年、見学にいらしたときのことがとても印象に残っていたんです」
父も私も顔を見合わせ、驚いた。
「入れるのであれば有難いことです」と父。
「他の候補の方にもお会いして、判定会議で決まりますので、
どうなるかわかりませんけれど・・・」
私は半信半疑だったが、父にとって、希望の道筋になったことは言うまでもない。

それからというもの、父はケアマネさんや病院の相談員の言葉にふりまわされ、一喜一憂する日々。
2/8にいたっては、前日に施設へ電話をしたら、はっきりしない回答だったと機嫌が悪く、私に八つ当たりしてきた。
ケアマネさんに状況を確認してもらい、2/12 入所が内定したとの連絡があった。

2/16 特養へ向かい、転倒リスクと、万一の場合の了承等、事前説明があった。
契約書を締結し、早いほうが良いと、2/22入所することに。
リストを見ると、いろいろ準備するものがある。
一番頭を悩ましたのは、洋服や肌着、パジャマ等に取り付ける名札。
裁縫は大の苦手だ。
こればかりはムリ! と、叔母に頼んだ。
翌日、ユザワヤで、アイロンで取り付けられるタイプを買ってきてくれた。
あとは、洗濯ネット。
ついでにフォトフレームも買ったり、
病院への御礼のお菓子など、会社帰りに買いに行き、
帰宅してからずっと荷物の準備をした。

そして今日。
車を取りに行き、前日用意していた荷物を積んだ。
最後に、オムツ類を積んだときには、クタクタになった。
オムツ類は施設で用意してくれるが、
「家に買い置きがあるので、使ってください」とお願いした。
お願いした手前だが、押入れから出すと、結構な量だった。
あとで、ゆうパックで送ろうかとも思ったが、一気にすませたい。
5往復して積み込んだ。

病院へ向かい、病室に置いていた洋服と肌着を詰めこみ、
母の着替えが終わったところで、特養の人が来た。
いったん下へ降り、私の車から特養のバスへ荷物を移し、
息つくヒマもなく、病室にいる母を迎えに行った。
父は特養のバスに乗ってもらい、私は車で後を追った。

母は、特養を気に入ってくれるだろうか。
気に入ることはないと思うが、我慢はしてほしい。

そんなことを考えながら、特養の駐車場に車をとめるとき、
パキンという音がした。
え? と左を見ると、なんと サイドミラーが柱にひっかかっている。
車から降り、手でもとの位置へ動かしてみると、もどった。
ああ、良かった。

エレベーター前で、母に追いついた。
「お母さん、どう?」と聞くと、
「イヤや、こんなとこ!」と不機嫌である。
部屋に着いても、機嫌はなおらない。
が、荷物の片付けやら、ヘルパーさん、看護師さん、歯科衛生士、入所手続きと忙しい。
父と母の口喧嘩につきあっている暇はない。

夕食時になり、もう体力気力も限界になった。
母がご飯を食べ始めたので、特養を後にした。
父はしばらく残ると言っていたが、やはり疲れたのだろう。
一緒に帰ってきた。

帰宅して、夕食をとった後、父の携帯電話が鳴った。
特養からだった。
私の名前を呼び、不安がっているらしい。
電話に出ると、
「この人(特養の相談員)、知り合い?」
「うん、知り合いの人」
「昔から知ってる人?」
「そうそう、お友達」
「私、てっきり誘拐されたのかと思った」
「大丈夫よ。信用して良いからね。
今日は病院から移ってきて疲れてるでしょ。
お薬飲んで、早めに寝ようね」
「うん・・・」
相談員さんに電話をかわり、くれぐれもよろしく、とお願いした。

電話を切り、父に
「お母さん、誘拐されたと思ってたんだって」と言うと、
「あんな婆さん、誘拐しても、何の得にならんやろー」と父。
まったく初日から、やれやれである。

父は、母が慣れるだろうかと、ずいぶん心配していたが、
慣れてもらわなければ。

それに、まだ買うものもあるし、
お見舞いに来てくださった方々への御礼もある。
娘はツライよ!

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知覚過敏ふたたび

日曜日の夜中、激痛で飛び起きた。
しばらく治まっていた知覚過敏が復活したようである。

歯を磨くと、少し治まったように感じたが、その日は一日中痛い痛い病。
帰りに歯医者へ行くことも考えたが、とにかく寒い日だったので、三宮まで足をのばす気分になれなかった。
少し身体を休めれば治まるかも・・・。
ところが、治まるどころか、夕食後はキリでさされたような、ねじれるような、ひどい痛みになった。

ほんまに知覚過敏か?
顔面神経痛?
いや、骨も痛いから、別の病気じゃないか?
病院へ行ったほうが良いかな。
いやいや、この寒さ。
出かけるなんて、とんでもない。
救急車を呼んでみるとか?
歯痛で呼ぶなんて、怒られるわな。

こんなことを考えながら、ベッドでうんうん唸りつづけること、1時間余。
なんとかたえられるところまで治まった。

翌日は祝日だったので、水曜日、さすがに歯医者へ行こうと電話した。
毎度のことだが、
「痛くて痛くて」と、割り込み予約を入れてもらった。

「薬の塗布でのりきりましょうか」
「神経をぬかなくて良いですか?」
「抜かないにこしたことはないですね」
「知覚過敏って、こんな尋常じゃない痛みを伴うものなんですか?」
「人によって異なります」
「ほんとに知覚過敏でしょうか?」
「消去法でいくと、そうなりますね」
「カレーを食べたあと、痛みが出たんですけど、刺激されたんでしょうか?」
「カレーは・・・、あまり考えられないですね。甘いものであれば、誘発することはあるでしょうけど」
「甘いもの・・・。アメとかチョコとか」
「そうですねぇ」

薬がきいたのか、極力 アメとチョコを食べないようにしているせいか・・・
今日は、痛みが治まっている。

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母のこと(77)

日曜日の朝 6時。
いつもと同じように、目覚ましが鳴り、テレビがつく。
フィギュアスケート団体は、なんとか決勝へ進めたらしい。
そのままテレビを消して、また眠ってしまった。

次に目覚めたのは、10時半。
わっ、やってしまった!
日曜日に寝坊すると、ものすごーく損した気分になる。
とはいえ、寝てしまったのはしようが無い。

朝昼兼用で、ドンクのカスクート(ハム)を食べ、新聞に目をとおす。
やはり昨日、有馬街道は凍結で車が停滞していたんだ。
ひと息ついてから、夕食のお米をとぎ、ブリの照り焼きと、ゆで卵を作った。

父はというと、また寝ている。
「今からお母さんのとこへ行くけど?」と声をかけると、
「しんどうて、しんどうて・・・。悪いけど、行ってくれるか」
「うん」

外へ出ると、めちゃくちゃ寒かった。
途中、マックスバリューで買い物をして、病院へ行った。
病室に着くと、「待ってました」の母。
看護師さんによると、今日は便の日で、朝から2回出たとのこと。
持って行った、神戸スイートポテトを出すと、早速食べた。
が、すぐに「お腹痛い。食べたものが悪かったんとちがう?」と言い出す始末。
「お薬もらう?」
「うん」
だが、看護師さんは笑って、
「食べすぎ!  娘さんが来るまで、おかきとラムネを食べてましたからね。少し様子を見てたら、治りますよ」と答えた。

仕方ないので、ベッドに横になってもらい、しばらくお腹をさすることにした。
「あれ?  ヘルニア(脱腸)が出てるね」
「え?  ヘルニアが出てる?」
「ひっこむかなぁ?」
さすっていると、いつの間にかひっこんだ。
良かった。
お腹をさすっていると、気持ちが良いのか、そのうち母は高いびきをかき、眠りこんだ。

15分ほどして、母は起きた。
「痛いの、どう?」
「なおった」
ゲンキンなものである。
起きて、車椅子にうつり、海苔巻きをポリポリ食べながら、オリンピック観戦。
といっても、ワタシが見ているから、仕方なく見ている感じだ。

5時になり、ディルームへ向かった。
「今日のおかずは、赤魚と湯葉豆腐と南瓜」
「お腹すいた」
「ご飯の台車があがってきたら、取ってくるからね」

5時20分頃、台車があがってきた。
トレイをとり、母の前に置き、ご飯にふりかけをかけ、スプーンを持たせ、
「さあ、どうぞ」と、母にすすめる。
「これ何?」
「ご飯」
「これは?」
「お魚」
「これは?」
「湯葉豆腐、こっちは南瓜。あ、もずくもついてるよ。食べて」

母が食べ始めると、ワタシは、そそくさと病院を後にする。

今日、看護師さんに聞いた話では、夜9時が就寝時間なのだが、母は決まって「何か食べたい」と言うらしい。
「お菓子を食べると安心して、眠られますよ」
道理で。
カステラの減りが早いと思ったら、そういうことか。

家でもよく言っていた。
「何か食べたい」
「もう寝る時間だから、明日にすれば?」
「明日になったら、もう食べれないかもしれない」

きっと病院でも同じことを言っているのだろう。

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母のこと(76)

寒波到来で、体調をくずした父にかわり、母のもとへ。

父が買ってきた、福砂屋のカステラ、甘栗(むいちゃいました)、ソフト塩豆。
行く途中に買った中村屋のカステラまんじゅう(小豆、抹茶、黒糖)を持って行った。

病室フロアへ着くと、くつろいだ様子の母がいた。
今日はおやつの日で、かりんとうまんじゅうを食べたところとのこと。

「ご機嫌でした?」と看護師さんに聞くと、
「ええ・・・。ちょっと合わない患者さんと、口論というか・・・。なるべく近くにならないようにしているんですけど・・・」
なんだか煮え切らない回答である。
「口論って?」
「お互いゆずらないんですよね。お母さんもしっかりされた方ですし、相手の方も・・・」
「とめてくだされば良いんじゃないの?  ケガでもしたら大変でしょ?」
「もちろん、気をつけてます!」

母に聞くと、性に合わない人がいるのだという。
人づきあいも上手く、交際範囲も広い母であるが、好き嫌いもはっきりしている。
興味本位で、どの人?  と見に行ったら、妙に納得してしまった。

ウワサ好きの看護師さん曰く、
「お母さんは、赤いセーターを着た方とはお話が合うみたいですよ。お二人ともお上品だからかしら」
「お上品ですって?  オホホホホ・・・」
苦笑せざるを得ない。

母の隣室がざわついているので、ついでに聞いてみた。
「今日、手術されたんですよ」
セイさんという名前からして、ご高齢のようだ。
「おいくつなんですか?」
「100歳」
「ええっ?  100歳で手術されたんですか?」
「そうですよー」

早速、母に報告する。
「お隣のおばあさん、100歳で、今日手術したんだって」
「へぇー」
「すごいよね。100歳って、大正生まれよね」
「大正は15年」
「何年生まれかしら?」
「何年生まれでも別に良いやないの」
要は、人のことどころではない、である。
「お父さんに電話してみる?」
「別に話すことないわ」
「まあまあ、そうおっしゃらず・・・」

父の携帯に電話をかけ、受話器を耳元にもっていく。
案の定、長電話。
「天井ばかり見て、一日過ごしてるねん。動かれへんし、こんなんやったら、死んだほうがマシやわ。・・・お父さんは動けるから、幸せや。家に帰りたい。(病院より)お父さんのほうがマシ。・・・そうそう、明日、お父さん誕生日やね。そやけど、(プレゼントを)買いに行かれへんわ。・・・(福砂屋の)カステラ美味しかった。また持ってきて。次はいつ来てくれるの?  電話だけやと、さびしい。顔が見たい。・・・うん、うん、そしたらね、元気でおってね」

ひとしきり父にグチをこぼすと、すっきりしたという。
やはり父のことを想い、頼りにしているのだ。

帰宅すると、
「お母さん、ベッドに寝こんでるんか?」と父。
「車椅子に座ってたよ」
「天井ばかり見て、一日過ごしてる、言うてたからな」
「電話したとき?  車椅子に座って、ワタシがずーっと携帯持たせていただいて、お話されてましたよ」
「ああ、そう」
「自分で携帯持ってくれたら良いのに、しんどいって」
「甘えてるんやろ」
「そやろねー。新しいヘルパーさんにも、『よりこさんですか?  いつもお母さんが呼ばれてますよ』って挨拶されたわ」
「厄介なこっちゃな」
「お父さんも、今度行ったとき言われるわよ。『お父さんですかー?』って」
「かなわんなー」
妻に慕われ、照れ笑いの父である。

それにしても・・・
今日の母は、いつになく寂しそうだった。
何か気がまぎれることはないだろうか。
「冬のソナタ」なら見ても良いと言っていたので、次回持って行くことにしよう。

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ふなっしーポテトチップス

今日は所用で休暇をとった。
郵便局で手続き待ちのとき、チラシの陳列棚に目を遣ると、なにやら、ふなっしーらしきものが。
ああ、ワタシもふなっしー好きが高じて、何でもそう見えるのかなぁと、近づいてみた。

じぇじぇっ!!!

じたくでグルメ!
ご当地キャラクター特集。
ふなっしーポテトチップス 2個セット 2,000円也。

梨の妖精ふなっしーのソース味ポテトチップスが登場なっしー!
2個セットだから、いっぱい食べて欲しいなっしー!
ヒャッハー!

って・・・。
ソース味のポテトチップス???
イメージしてみたが、ソース味というのがどうもピンとこない。

ソフトバンクのCMといい、ふなっしーは超人気者。。。

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ふなっしープリッツ(その2)

メモリカードリーダーが壊れてしまったので、ヤマダ電機へ。
PCアクセサリー売り場かなと、3Fへ上がると、
「1Fのデジカメ売り場の奥にあります」と店員さん。

なるほど。
最近はデジカメやスマホが主体になってるのか。

売り場に行くと、以前買ったときより、種類も増えている。
価格、使いやすさ、対応メディア、USBインターフェース、対応OSを確認して、エレコムのカードリーダを買った。
レジがひとつしか対応しておらず、長蛇の列。
売り場の店員をレジにまわせば良いのに・・・と思いつつ、ガマン、ガマン。

早速、こないだデジカメで撮った ふなっしープリッツを取り込んでみることに。
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舞妓さんタイプは、ちょっと気色悪いかもね。
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パッケージの裏には、梨汁ブシャーの解説あり。2014020202

そういえば・・・
今朝、テレビをつけていたら、「笑っていいとも」増刊号で、ふなっしーが出ていたので、ビックリ!
月曜日に出てるみたい。

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母のこと(75)

花見屋あられで、汐豆と海苔巻きを買い、母のもとへ。
喜ぶと思っていたら、
「この豆、小さいし、硬い」
「そう?  そうかな?」
確かにちょっと硬い気もするが、豆ってこんなもんじゃないの?

母は、なんだかんだと、いちゃもんをつける。

出る直前に、紅茶を作り、持って行き、
「熱いうちに飲んで」とすすめても、すぐには飲まず、さめてから飲み、
「ぬるいから、美味しくない」と文句を言う。
お菓子も、少しずつのほうが良いだろうと、小分けにすると、
「アンタはケチくさい」である。

だんだん面倒くさくなり、
「お父さんに電話しようか」と、話題を変える。
病院は、携帯電話禁止だが、個室なので、こそっとかけている。
「別に・・・。話すこともないもん」と、あまり乗り気ではない様子。
「そう?  お父さん、いっつもお母さんのことばっかり話してるよ」
「ほんと?」
少し表情が変わる。
「うん。お母さん、どうしてるかな?  元気かな?って」
「ほんまぁ?」
母に笑顔がもどる。
父の携帯へ電話し、「もしもし」と声が聞こえて、すぐ母に携帯を渡した。

「もしもし、私。 ・・・元気とちがう。今はよりこがいるから、元気になってる。・・・え?  汐豆と海苔巻き食べてる。汐豆は小さくて硬いねん。・・・え?  なんか美味しいものがほしい。・・・  お父さんにも来てほしい。・・・  うん、元気になっとかなアカンな。・・・  うん、ほなまたね」
話すこともない、なんて言っていたわりには、長電話である。
なんだかんだ言っていても、父は頼りになる夫なのだ。

しばらくして、院長がひょこっと顔を出した。
「こんにちは」
すると母。
「こんにちは。いつもお世話になってます」と丁寧に挨拶し、
「娘です」とワタシを紹介した。

いつもと違う母の態度に、院長もやや戸惑いながら、
「娘さんとは友達ですよ」と答えた。
内心、『アンタとワタシはいつ友達になったんだ?』 と怪訝に思いつつ、ワタシは笑みを浮かべた。

「具合はどうですか?」
「ええ、まあまあです」
「お顔の色も良いですし、少しふっくらされましたね」
「そうですか」
「元気になりましょうね」
「元気にならないとねぇ」
「がんばりましょうね。じゃあ、またね」

あまりにも母の機嫌が良かったので、
「やさしい、良い先生やわ」とほめるのかと思いきや、
母が放った言葉は、「あの先生、坊主(頭)やな」であった。
確かに特徴的な頭ではあるが・・・、
母が院長の頭が気になりながら話をしていたのかと思うと、おかしくなった。

「あの院長がお母さんの手術をしてくれたんよ。レントゲンを見せてもらったけど、骨と器具がキレイにくっついてたわよ」
「自分の腕が良いと自慢したいだけやろ」
これには、妙に納得してしまった。
確かに、医者というもの、自慢したがる。

夕食時になり、
「じゃあ、また来るね」と、病院をあとにした。
エレベーターに乗る前、母に手をふると、スプーンを持ちながら、振り返してくれた。

母は、もう家に帰れないと、わかっているのだろうか。

「どうして、『お父さーん、よりこー』って、言ってるの?」と聞くと、
訳を言わず、「言うときもある」と答えた。
「さびしいから?」
「さびしい・・・」

考えてみると、ときどき私も知らず知らずのうちに、「お母さん・・・」と呟くことがある。
私も、さびしいのである。

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また整骨院へ

先週、ニトリで買い物をしていたら、腰にピリピリッと痛みがはしった。
首の痛みばかりに気をとられていたので、腰が悪いことを忘れ、無理な姿勢をとったせいだと思う。
ひどくなる前に、腰の矯正をしてもらおうと、整骨院へ行った。
去年の8月以来である。

「いやー、去年はそれはもう大変でした。母の介護でやつれて、『ガンじゃないの?』なんて言われたりして。それがストレスになって、またやせて・・・」
「事情を知らない人は、好き勝手言いますからね」
「でしょう。あの頃、人とかかわるのがイヤでイヤで・・・。母が10月に入院して、4日間寝こみ、ようやく回復したのは12月にはいってからかな。『在宅なんてもうムリよ。施設に入れよう』と父を説得して、やっとふんぎりがつきました」

この日のワタシは実に能弁だった。
たまっていた言葉があとからあとから出てくる。
すっかり吐き出すと、フシギと身体も軽くなっていた。

「週1回でも通ってみてください」
そう整骨院の先生に言われ、素直に頷いた。

腰の痛みはやわらいだが、首と肩はすぐに良くなるわけではない。
だいたい木曜日が痛みのピーク。
金曜日はだましだましで乗り越え、あとはぐっすり眠ることでごまかしてる感じ。

今日、また整骨院へ。
施術を受けたあとは楽になる。
そのまま何もせず寝ていたら、たぶん良いのだろうが、そういうわけにはいかない。
ただ、以前とちがうのは、ムリをしないようにしていること。

明日は神有の合同月例だが、雨の予報が出ていたので、早めにキャンセルした。
「気温が上がっても、雨降りだと、カゼひきそうだし。それに寒気もするし」
ところが、今日、天気予報を見ていた父がニヤニヤと言う。
「明日は朝のうちだけ雨やで」
「えっ!?」
内心、大雨が降れば良いのに・・・と思った。

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