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母のこと(76)

寒波到来で、体調をくずした父にかわり、母のもとへ。

父が買ってきた、福砂屋のカステラ、甘栗(むいちゃいました)、ソフト塩豆。
行く途中に買った中村屋のカステラまんじゅう(小豆、抹茶、黒糖)を持って行った。

病室フロアへ着くと、くつろいだ様子の母がいた。
今日はおやつの日で、かりんとうまんじゅうを食べたところとのこと。

「ご機嫌でした?」と看護師さんに聞くと、
「ええ・・・。ちょっと合わない患者さんと、口論というか・・・。なるべく近くにならないようにしているんですけど・・・」
なんだか煮え切らない回答である。
「口論って?」
「お互いゆずらないんですよね。お母さんもしっかりされた方ですし、相手の方も・・・」
「とめてくだされば良いんじゃないの?  ケガでもしたら大変でしょ?」
「もちろん、気をつけてます!」

母に聞くと、性に合わない人がいるのだという。
人づきあいも上手く、交際範囲も広い母であるが、好き嫌いもはっきりしている。
興味本位で、どの人?  と見に行ったら、妙に納得してしまった。

ウワサ好きの看護師さん曰く、
「お母さんは、赤いセーターを着た方とはお話が合うみたいですよ。お二人ともお上品だからかしら」
「お上品ですって?  オホホホホ・・・」
苦笑せざるを得ない。

母の隣室がざわついているので、ついでに聞いてみた。
「今日、手術されたんですよ」
セイさんという名前からして、ご高齢のようだ。
「おいくつなんですか?」
「100歳」
「ええっ?  100歳で手術されたんですか?」
「そうですよー」

早速、母に報告する。
「お隣のおばあさん、100歳で、今日手術したんだって」
「へぇー」
「すごいよね。100歳って、大正生まれよね」
「大正は15年」
「何年生まれかしら?」
「何年生まれでも別に良いやないの」
要は、人のことどころではない、である。
「お父さんに電話してみる?」
「別に話すことないわ」
「まあまあ、そうおっしゃらず・・・」

父の携帯に電話をかけ、受話器を耳元にもっていく。
案の定、長電話。
「天井ばかり見て、一日過ごしてるねん。動かれへんし、こんなんやったら、死んだほうがマシやわ。・・・お父さんは動けるから、幸せや。家に帰りたい。(病院より)お父さんのほうがマシ。・・・そうそう、明日、お父さん誕生日やね。そやけど、(プレゼントを)買いに行かれへんわ。・・・(福砂屋の)カステラ美味しかった。また持ってきて。次はいつ来てくれるの?  電話だけやと、さびしい。顔が見たい。・・・うん、うん、そしたらね、元気でおってね」

ひとしきり父にグチをこぼすと、すっきりしたという。
やはり父のことを想い、頼りにしているのだ。

帰宅すると、
「お母さん、ベッドに寝こんでるんか?」と父。
「車椅子に座ってたよ」
「天井ばかり見て、一日過ごしてる、言うてたからな」
「電話したとき?  車椅子に座って、ワタシがずーっと携帯持たせていただいて、お話されてましたよ」
「ああ、そう」
「自分で携帯持ってくれたら良いのに、しんどいって」
「甘えてるんやろ」
「そやろねー。新しいヘルパーさんにも、『よりこさんですか?  いつもお母さんが呼ばれてますよ』って挨拶されたわ」
「厄介なこっちゃな」
「お父さんも、今度行ったとき言われるわよ。『お父さんですかー?』って」
「かなわんなー」
妻に慕われ、照れ笑いの父である。

それにしても・・・
今日の母は、いつになく寂しそうだった。
何か気がまぎれることはないだろうか。
「冬のソナタ」なら見ても良いと言っていたので、次回持って行くことにしよう。

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