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母のこと(96)

10時半、特養から電話があった。
ちょうどワタシは2Fで用事をしていたときで、父が電話を受けた。

「頭を打って、吐いたそうや。
いまケアマネさんと相談員さんが付き添って、
脳疾患科で診てもらってるんやって」
「えっ? また頭打ったの? 転んだんかな?」
「打ったときは誰も見てないから、わからんそうや」

診察が終われば、また連絡があるというので、電話を待った。
13時、電話が鳴った。
ケアマネさんからだった。
「診察を終えて、特養へ戻ってきました。
頭のほうは、側部レントゲンをとりましたが、異常ナシです。
嘔吐は感染性のものだと言われました」
「感染性?」
「たとえば尿路感染とかです。
熱も38.5度まであがっていたので、先生がおっしゃるには、頭ではなく、
感染性によるものだろうとのことでした。
朝の6時に嘔吐されていて、朝食も摂られていないので、点滴を受けられて、
抗生物質と整腸剤と、熱が出たとき用に解熱剤が処方されました。
点滴のあと、少し元気になられたので、いま昼食を摂ってもらってます」
「そうですか・・・。いろいろと有難うございます」

心配なので、特養へ向かった。
受付でケアマネさんに会うことができたので、
御礼と、途中買ったケーニッヒスクローネのお菓子の差し入れを渡した。
「いえいえ、受け取れません。私たちはこれが仕事ですから」
「ほんの気持ちですから。こないだ退院したところなのに、
またご迷惑をおかけして、申し訳ありません」
「そんな、そんな。こちらこそ、ご家族の方にご心配をおかけして・・・。
じゃあ、今回だけは受け取ります。次回からはどうぞお気遣いなく」

受け取れない規則だというが、家族としては、休日に病院へ連れて行ってくれ、
あとの世話もしてくれたのだから、せめてもの感謝の気持ちである。

居室に行くと、母はベッドに座っていた。
「どないもこないも、アカン!」
「寝とったら良いのに」
「寝とっても、しんどい!」
ワタシもよく胃腸炎を起こすので、嘔吐して、点滴を受けたあと、
脱力感といいようのない不安にかられるので、よくわかる。
ただひたすら寝て、体力が回復するのを待つしかない。

心配したヘルパーさんが居室へ入ってきたので、
汚れたズボンを履き替えさせてもらった。
だが、まだ何か匂う。
ゴミ箱を見ると、嘔吐物が入っていたので、処分してもらった。

「フツーは、最初にこれに気づくんとちがうの?」
とは言わなかったけど・・・。

母をベッドに寝かせ、背中から首筋をさすっていると、
看護師さんが様子を見に来てくれた。
「腸閉塞で退院したばかりなのにねぇ・・・」
「また入院になるかと思いましたけど、帰ってこれて良かった」
「熱も下がってますし、血圧と酸素量も大丈夫ですね。
また何かあったら呼んでください」

看護師さんが部屋を出ていくと、また「さすって」という母。
「はい、はい」と従うワタシ。
手のぬくもりを感じていると落ち着くのか、そのうち母はうとうとし始める。
そーっとベッドを抜け出した。
エレベーター前まで行くと、サブリーダのヘルパーさんに会った。
彼女は母のことをよく理解してくれている。

聞くところによると、夜中や早朝に目が覚めると、ベッドから床におり、
廊下まで這いだしてくるらしい。
「右手の甲も、ひどいケガをしはって」
「絆創膏、はってたとこですか?」
「車椅子の車輪にひっかけたようで、皮がめくれちゃったんです」
「えー!」
「出血もなく、縫うほどでもなかったので、良かったです。
いきとどかなくて、すみません・・・」

ケガはつきものと思っている。
在宅のときも、よく転んで、ケガをしていた。
介護の度合いが進んだいま、リスクが高くなるのは仕方がない。

部屋に戻ると、寝ていたはずの母。
廊下まで這って出てきていた。
ヘルパーさんに、車椅子に乗せてもらい、食堂でおやつを食べた。
今日のおやつは、レアチーズケーキとゼリー。
食べれるかな? と心配したが、8割方食べた。
だが、案の定気持ちが悪いと言い出し、また看護師さんを呼ぶことに。
「おやつは、控えたほうが良かったかもね。
口当たりが良かったから召し上がったんでしょうけど、
お腹のほうはビックリしてますよ。
薬は昼食後に飲んでますから、少し安静にしててくださいね」

ベッドに寝かせ、背中から首筋をさすった。
また、母はうとうとしはじめた。
とにかく安静に限る。
そーっとベッドを離れ、ヘルパーさんにあとのことを頼み、帰ってきた。

帰宅すると、父が心配していた。
「とりあえず落ち着いたみたい。寝て回復するのを待つしかないと思うわ」
「そうか。明日はワシが行ってくるわ」
「福砂屋のカステラが食べたい、って言ってたよ」
「差し入れは控えてくれとちがうんか?」
「レアチーズケーキより、福砂屋のほうがお腹にやさしい気がするけど・・・」
「持って行って、相談してみるわ」

母に愛され頼りにされている父も大変である。

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