母のこと(101)
今日は母の日。
”ハルエちゃんとの感動の再会!”写真とケーキをもって、特養へ。
受付で母の様子を聞くと、
「おとなしくてしていらっしゃいますよ。
娘さんの名前を呼んでますけど・・・」と言われた。
居室に入ると、またまた床にへたりこんでいた。
理由を聞くと、「部屋の鍵がかかってない・・・」と心配そうな表情をしている。
なぜか母は鍵にこだわる。
床から抱え上げ、(かなり腰に負担がかかる!) 車椅子にのせた。
ハルエちゃんと寄り添う写真と、プレゼントのフェイラーのタオルハンカチを見せると、母は大喜びだった。
もしかして、ハルエちゃんが来てくれたことを忘れているのではないかと危惧していたが、ちゃんと覚えていた。
「忘れるわけないやん。ハルエちゃんが来てくれたんよ! 広島から」
「いまは東京よ。おじさんが亡くなってから、広島の家をひきはらったの」
「ああ、そうか」
「でも、お母さんに会いたいって、はるばる新幹線に乗って来てくれるなんて、感激よね。足腰が丈夫だし」
「あの人はもともと丈夫やねん」
ケーキを食べながら、ハルエちゃんとの思い出話を聞いた。
祖母とハルエちゃんのお父さんがいとこであること、
ハルエちゃんのお父さんは船乗りだったこと、
ハルエちゃんはワタシと同じS中高に通っていたことなど。
知らないことばかりだった。
母は、いつになく上機嫌である。
いまのうちに父と仲直りしてもらおうと思い、父のケータイに電話をかけた。
一昨日、母に八つ当たりされ、父もずいぶんへこんでいたからだ。
電話では、母は父を思いやり、周囲の人に支えられている自分は幸せ者だという。
父は、そんな母の言葉に満足する。
「また会いに来てね」
「うん、お菓子持って行くからね」
仲直りできて、良かった。
と思ったのも、つかの間。
また「痛い、しんどい、苦しい」、「何か食べたい」と言い出し、
「もうすぐご飯だから、ちょっと我慢しようね」と答えると、
「あんなとこに行って食べたくない」、「何もないの? ケチ!」と怒り出す。
今日の怒りの矛先はワタシである。
ちょうどヘルパーさんが夕食のお迎えに来てくれた。
「イヤ! 行きたくない! ご飯持ってきて!」
いやがる母をなだめ、なんとか食堂へ連れて行ってくれた。
少し時間をおいて見に行くと、母はおとなしくご飯を食べていた。
ワタシを見ると、
「ここで食べていき」と、下から見上げる。
「あとで食べるからね。
お母さん、ちゃんと食べて、お薬飲んで、ぐっすり寝てね」
「お薬あるの?」
「あるよ。ヘルパーさんに出してもらえるよう、お願いしてるからね」
母は、ワタシが帰っていくのを見ないようにか、ご飯を食べ続けていた。
来週は、もっと遅くまでいられるようにしよう。
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