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母のこと(108)

昨夜は坐薬のおかげで眠ることができた。
痛みがとれたわけではない。
できれば、じっとしていたいが、
昨日の夜間診療の精算にも行かないと。
ウダウダしていると、ケータイが鳴った。

見たことがない番号だ。
誰だろう?
電話に出ると、母が入っている特養の相談員さんだった。

「朝の4時に嘔吐され、熱が7度7分ありますので、
  いまから病院へ連れて行きます」
「すみません、よろしくお願いします。
  ワタシもちょうど(同じ)病院へ行く用事があるので、
  顔を出しますね」
「どうされたんですか?」
「ぎっくり腰です」
「ええっ!」

母のこととなると、俄然、やる気が出るワタシ。
とにかく病院へ行こう!
そうだ、ついでに坐薬を処方してもらおう。
コルセットを装着し、病院へ向かった。

土曜日の病院は混んでいた。
受付をすませ、待合室へ向かう途中、特養の相談員さんに会った。
「ぎっくり腰ですって?」
「ええ、とんだことで・・・。ところで母は?」
「いまから点滴です」
「そうですか。いつも有難うございます」
「いえいえ。ちょっと待っててくださいね」
そう言って、相談員さんは母を連れてきてくれた。

「あ、よりちゃん!」
「よりちゃんは、ぎっくり腰」
「えっ?」
「お母さんも病気、お父さんも入院中、娘はぎっくり腰。
・・・って、一家総倒れやね」
「お父さん、入院してんの?  私も同じ病院に入院したい!」
「お父さんがいやがるわ」
「え? ・・・私も、お父さんと一緒はいややわ!」
「そんなら、お母さんはこの病院にしとき。どこの病院でも同じよ」
「そうやなぁ」

看護師さんと相談員さんに付き添われて、母は点滴室へ行った。
中から、ワタシを呼ぶ母の声が聞こえてくる。
今日は呼ばれたって、そうそう動けない。
しばらくすると、車椅子に乗り点滴中の母がまた現れた。

「起き上がろうとされ、危ないので、車椅子に移ってもらいました」
「あらあら、横になってるほうが楽やのに」
「アカン!」
またワガママが始まった。

「なんか飲む?  ノドが乾いてるんとちがう?」
「飲みたい。なんか食べたい」
「すみませんが、売店でヤクルトを買ってきてもらえます?」
申し訳ないが、相談員さんに買いに行ってもらった。
ヤクルトを飲むと、少し母は落ち着いた。

母、相談員さん、ワタシの3人で話をしながら、
母は点滴が終わるのを、
ワタシは診察の順番がくるのを待った。
ずいぶん長い時間だったが、とりとめのない話をすることで、
お互い気が紛れた。

ワタシの診察のほうが先に終わった。
あとのことを相談員さんにお願いして帰ろうかと思っていたが、
ちょうど主治医から検査結果を聞けるタイミングだったので、
同席することにした。

「感染症がありますので、抗生剤を出しておきます。
  入院はどうしようかな?
  点滴で元気が出てきた?」
「はい」と、医者に対しては神妙な母。
「さっきヤクルトを飲みましたよ」
「食欲も出てきたかな。じゃあ、入院はやめにしようか」
「はい、帰ります」
毅然と答える母は、以前の母と変わらない。
診察室を出たあと、
「やさしいお医者さんね」と言うと、
「ええ加減なだけや」と毒舌をはくところも変わらない。

結局、特養の車が母を迎えに来るまで、一緒にいた。
相談員さんに、母のことをお願いし、駐車場へ向かった。
車に乗ったとたん、急に疲れと鈍い痛みが出てきた。

昨日の今日。
やっぱり無理は禁物だ。
父のところへ入院費を届けに行こうと思っていたが、
今日はやめておこう。

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